第92回 知の拠点セミナー

第92回 知の拠点セミナー
講演1 「無機固体材料の「同定」の試み」 / 講演2 「最新観測がもたらす宇宙論の変革」

日時 令和元年11月15日(金) 18時00分~20時00分(※17時30分から受付開始)
場所 京都大学東京オフィス
(東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階:アクセスマップ
JR、東京メトロ丸ノ内線「東京駅」直結。東京駅新幹線ホームより徒歩10分。丸の内北口改札出てすぐ。
※令和元年6月より開催場所が変わりましたのでご注意ください。
プログラム
18:00-19:00
講演1 「無機固体材料の「同定」の試み」

大谷 文章(北海道大学触媒科学研究所 教授 )
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19:00-20:00
講演2 「最新観測がもたらす宇宙論の変革」

樽家 篤史(京都大学基礎物理学研究所 准教授 )
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講演1:「無機固体材料の「同定」の試み」

大谷 文章(北海道大学触媒科学研究所 教授 )

写真(講演者)

 「同定(identification)」とは化学物質が何であるか,すなわちその構造を決定して,その構造をしめすユニークな名前をつけることです.有機化合物や金属錯体について論文発表するときには,その物質を同定することが前提条件で,これがなければ受理されることはありません.
 しかし,無機固体材料については,IUPAC(国際純正応用化学連合)の「無機化合物命名法」にも,「構造を一義的に決定することが困難なので,その構造をしめす名前をつけることはできない」とあり,使用する固体材料を同定しなくても論文発表することができます.
 逆にいえば,無機固体材料である,触媒などの機能性材料について本質的な解明にいたっていないのは,「同定」することなしに議論されてきたからとも言えます.
 われわれは,無機固体材料のうちで,金属酸化物のほとんどがもつ電子トラップの密度分布を解析する装置を開発し,これをつかった「同定」が可能であることをしめしてきました.この試みについて,さまざまな応用例とともに紹介します.

 

 

 

講演2:「最新観測がもたらす宇宙論の変革」

樽家 篤史(京都大学基礎物理学研究所 准教授 )

写真(講演者)

 近年、宇宙観測の目覚ましい進展により、宇宙の成り立ちと進化に関して様々なことがわかってきました。その集大成ともいうべき成果が「宇宙の標準モデル」の確立です。 ところが、この標準モデルの中身をみてみると、驚くべき事実が浮かび上がります。宇宙の構成要素のうち、95パーセント近くが未知の物質・エネルギー体で占められていた、というのです。なぜこのような結論が得られたのでしょうか、また、この謎をどう解いていけばいいのでしょうか? 本セミナーでは、最新の宇宙観測から確立した宇宙の標準モデルとそこに潜む謎を概観しながら、今後の観測からどう謎に立ち向かうのか、研究者たちの取り組みを説明し、変貌する我々の宇宙像と宇宙の未来について考えていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

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