第58回 知の拠点セミナー

「講演1:流氷がつくるオホーツク海と北西太平洋の海洋環境/講演2:地形学とそれを支える空間情報科学の動向」

日時平成29年1月21日(土) 14時30分~17時00分
(※14時から受付開始のため、14時以降に東京駅直結の地下1階オフィスエントランス(新丸の内ビル前)にお越しください。)
場所京都大学東京オフィス
(東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング10階: アクセスマップ
プログラム14:30-15:40 講演1 「流氷がつくるオホーツク海と北西太平洋の海洋環境」  概要はこちら
            江淵 直人(北海道大学低温科学研究所 所長・教授)
15:50-17:00 講演2 「地形学とそれを支える空間情報科学の動向」  概要はこちら
            小口 高(東京大学空間情報科学研究センター  センター長・教授)

※ご来場にあたってのご注意
新丸の内ビルディングオフィス棟は土日祝日休館のため、1階からはご入館いただけませんのでご注意ください。
また、受付は14時から15時まで地下1階オフィスエントランスにて行います。
受付終了後に到着されました場合は、京都大学東京オフィス(03-5252-7070)までご連絡ください。
ご不便をおかけいたしますが、ご協力くださいますようお願いいたします。

講演1 「流氷がつくるオホーツク海と北西太平洋の海洋環境」
  江淵 直人(北海道大学低温科学研究所 所長・教授)

北海道オホーツク海沿岸は,1月下旬から3月下旬まで流氷に覆われます.オホーツク海は,北半球で最も南で流氷が作られる海であるため,地球温暖化に最も敏感に反応する海域であると考えられています.オホーツク海で流氷ができるメカニズムおよび流氷を起源とするオホーツク海と北西太平洋の海洋循環,物質輸送および生物資源について,最近の研究成果を含めてお話しします.





講演2 「地形学とそれを支える空間情報科学の動向」
  小口 高(東京大学空間情報科学研究センター センター長・教授)

人の活動の大半は地表で行われるため、地表の形である地形は人類にとって最も基本的な要素の一つである。地形を学術的に研究する分野は地形学(Geomorphology)と呼ばれる。地形学は日本やイギリスではおもに地理学の教室で教育されているが、アメリカやイタリアではおもに地質学の教室で教育されている。さらに地球物理学、土木工学、砂防学などの学科でも地形学に関連した教育や研究がしばしば行われている。このように学際性が高く、多様な分野に貢献している地形学は、かつては野外調査や空中写真・地図の判読といった定性的な記載を中心とする学問であった。しかし、20世紀の中頃から地形図上での計測などを用いた定量化が進んだ。さらに近年は、空間情報科学の技法を活用し、地形の面的な数値データであるデジタル標高モデル(DEM)を地理情報システム(GIS)を用いて分析した事例が増えている。このような動向と、レーザー測量やドローンを用いた空中写真測量といったDEMを取得する新しい技術が組み合わさり、地形学が急速に進化している。その結果、地形の理解が進むとともに、地形と関連が強い自然災害などの研究も発展している。本講演では、このような地形学の近年の発展を述べるとともに、その発展を支えている空間情報科学についても解説する。