第30回 知の拠点セミナー
「セルフ・コントロールの経済学」

日時 | : | 平成26年3月14日(金) 17時30分~ |
場所 | : | 京都大学東京オフィス (東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階: アクセスマップ) |
講演者 | : | 池田 新介 (大阪大学 社会経済研究所 副所長、附属行動経済学研究センター長、教授) |
私たちの生活はいわば選択の連続なのですが、経済学がこれまで想定してきたのとは違って、私たちは必ずしも選択の達人ではありません。仕事を先延ばしにする。不健康を顧みず食べ過ぎや飲み過ぎに走る。タバコが手放せない。その場の感情で人間関係を台無しにする。浪費癖があって貯蓄できない。婚外交渉におぼれる・・・。先のことを考えれば自分の不利益になるこういったダメな選択、いわば自滅的な選択をなぜ私たちはしてしまうのでしょうか。
実は、経済学や心理学の最近の研究から、こうしたダメな選択の多くが、セルフ・コントロール(自制)の失敗によるものだということが分かってきています。講演では、
- そもそもセルフ・コントロールとは何なのか?
- セルフ・コントロールの能力は実際に私たちの選択の質−一生涯の生活の質といっても良いくらいですが−を高める上でどれほど重要なのか?
- セルフ・コントロールを可能にする「意志力」とはどのようなものなのか?
- 限られた「意志力」の下で、セルフ・コントロールをうまく行うための対策とは何か?
- セルフ・コントロール問題に対処するための政策・制度とはどのようなものか?
について、肥満などの健康問題、多重債務や過小貯蓄といった経済問題、ギャンブル・喫煙などの依存性消費の問題にも言及しながら話を進めます。