第19回 知の拠点セミナー

「ヒッグス粒子の発見と素粒子物理学の発展」

日時平成25年4月19日(金) 17時30分~
場所京都大学東京オフィス
(東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階: アクセスマップ
講演者駒宮 幸男
(東京大学大学院理学系研究科 教授,
東京大学 素粒子物理国際研究センター センター長)

 加速器技術の発展とともに素粒子物理学は発展してきました。極微の素粒子の世界と壮大な宇宙は深く関係しています。素粒子の研究はビッグバンのすぐ後の宇宙初期の姿とその後の宇宙の姿を理解するのに必須です。2012年7月にジュネーブの素粒子物理学の研究所CERNにある陽子・陽子衝突のLHCという加速器を用いた実験で、ヒッグス粒子と見られる新粒子が発見されました。ヒッグス粒子は様々な素粒子の質量の起源となる粒子です。この発見を契機に素粒子物理学は革命期を迎えています。ヒッグス粒子などの詳細研究は、精密実験が可能な電子・陽電子衝突の国際リニアコライダーで行う予定です。我が国はILCの有力なホスト国の候補です。素粒子を理解してきた歴史、最先端の研究、大型の基礎科学実験の意義や派生技術、経済効果などを分かりやすく講演します。


「ヒッグス粒子」が2つの光子に崩壊した証拠となる2つの光子の不変質量分布。
(LHC, ATLAS実験グループ)


国際リニアコライダー(ILC)の内部構造デザイン。


CERN の航空写真。円形の線の地下に円周約27kmのLHC加速器が設置されている。