第28回 知の拠点セミナー

「パンデミックから共存へ ―ゲノム解析が明らかにするウイルスとの共進化―」

日時平成26年1月17日(金) 17時30分~
場所京都大学東京オフィス
(東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟27階: アクセスマップ
講演者朝長 啓造
京都大学 ウイルス研究所 教授)
講演の詳細はこちらでご覧いただけます (Yomiuri Onlineのページを開きます)

 さまざまな生物は、その共生関係の中で互いの進化を協調的に促しています。これを「共進化」と呼んでいます。ウイルスと私たちとの関係も同様です。私たちは、長い進化の過程で多様なウイルスによるパンデミックを幾度となく経験し、生死を分けた攻防を繰りかえしてきました。その結果、共進化が起こり、私たちは多くのウイルスに対して抵抗性を身に付けてきたと考えられます。進化過程におけるウイルスに対する抵抗性獲得の仕組みを知ることは、現在のウイルス感染症対策にもたいへん有用です。私たちの研究所では、ヒトゲノムに刻まれたウイルスと宿主の攻防の歴史を明らかにすることで、ウイルス感染に対する抵抗性獲得の仕組みを知る研究を行っています。本講演では、私たちのゲノム存在するウイルス抵抗性因子や内在性ウイルスの研究を中心に、私たちの進化に及ぼしたウイルス感染の影響をわかりやすく議論していきたいと思います。